出版講座「本を出す」ということ 1

 本を出すということをどのようにイメージしているだろうか?
最近は、本を出版するといっても、さまざまな方法が用意されている。

一番手っ取り早いのが、Wordなどの文書作成ソフトに書き込んだものをPDF化して、電子書籍としてAmazonで販売することだ。
これならば、何の制約もなく自由に書ける上、出版にかかる費用も抑えられる。
それに何と言っても、売り上げがAmazonへの手数料を除けば、すべて自分のものだ。
しかし、ニッチなテーマの専門書やよっぽど面白い内容であれば、需要があるかもしれないが、Amazonに出すだけでは、ほとんど売り上げが期待できない。
SNSやブログなどを駆使して宣伝し、SEO対策も講じる必要がある。

僕が2007年に出した電子書籍「ぐるぐるインド」。インド旅行記。売れなかった(笑)

また、自費出版という方法もある。
お金さえ払えば、しっかりとしたハードカバーの立派な書籍が出来上がる。
最近の自費出版サービスには、編集者のサポートが付き、書店で販売してもらえるプランもある。
自伝やノウハウなどを友人にプレゼントしたり、教材にするなどには適しているが、自費出版からヒット作が生まれることは稀だ。

商業的な成功を目指すならば、やはり出版社を通して書籍を出すことが近道だ。
何故か。
そこには、出版社を通して発行された書籍への信頼がある。
編集者によってしっかりとした方向性を持って企画され、実績や信頼度の高いライターによって書かれた本だという暗黙の了解がある。
また、執筆にあたっては、「写真に個人情報が載っていた」、「引用したのに参照の記述がない」など、意図せず著作権や肖像権の侵害してしまう可能性がある。
編集者がいれば指摘してもらえることから、こういったリスクを軽減することができる。
さらには、新聞やテレビ、Webサイトなど、さまざまなメディアが新刊情報を伝え、宣伝してくれる。
日販などの本の卸売業者が、日本の津々浦々の書店に書籍を配布してくれる上、電子書籍としても発行されることが多い。
つまり、本を積極的に売るためのルートが出来上がっている。
少なくとも著者が損することはない。

ライターでない一般の人が、本を出すなんて…などと思っていないだろうか?
出版業界では、常に書籍にするためのネタを探している。
売れるネタであれば、意外と簡単に書籍化することができる。
さぁ、頭の中にアンテナを張り巡らせて、自分の中に埋もれているおもしろいネタを探してみよう。
この講座では、出版社を通じて書籍を発行することを目標としたノウハウを掲載していく。

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